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「オレンジの輪」おとなプラスシリーズⅡ(第3土曜日) 認知症・ともに歩こう

杉名自治会(燕市)

2017年12月22日

おとなプラスシリーズⅡ

認知症・ともに歩こう

認知症の人に声掛け

捜索体験、地域の見守りに



行方不明になった認知症の人を想定した捜索体験。ゆっくり、はっきりした声で話し掛けた=11月中旬、燕市小池小学校近く


 木枯らしが吹いた11月中旬の朝。つえをつき、黒いかばんを持って集落内を歩く男性に、オレンジ色のたすきを掛けた住民が話し掛けた。

 「どこへ行きなさる」「仕事行こかと思って」「どちらの会社だかね」「仕事行かねば駄目だけの」。かみ合わない会話を繰り返し、探していた認知症の人と判断した住民は、ゆっくり穏やかな声で「さーめなったの」「公民館で少し休んで行きましょ」と誘う。別の住民が警察署に男性を保護したことを通報した。

 燕市の杉名自治会が行った、認知症の人の捜索体験。地域包括支援センターおおまがりの職員が認知症の人役や似た外見で少し心配な人の役を務め、4班に分かれた住民たちが捜索範囲内でそれぞれ声を掛け、当人かどうかを見極めた。たすきは捜索隊の目印だ。

 参加者は事前に認知症の人と接する心構えを学んだ。何も分からないのではなく、誰より不安を抱えていると知ろう。「驚かせない、急がせない、自尊心を傷付けない」の「三つのない」を心掛けよう。道路の真ん中を歩くなどの危うさや困っている様子、身なりや言動に不自然さがないかに注意しよう―などと講習を受けた。

 それでも、参加した上原文世さん(63)は「どんな言葉を掛ければいいか、話を引き出すのが難しかった」と振り返った。

 同市では毎年、認知症で一時的に行方不明になった人が10人以上いて、交通事故で亡くなるケースもあった。このため、地域の見守りで大切な命を救おうと2014年度に捜索体験が始まり、本年度は6カ所で実施された。まちづくり協議会や自治会が主催し、担当の地域包括支援センターなどが共催。捜索手法より声掛けに重点を置く。

 杉名自治会の熊倉真会長(69)は「声を掛けるのは訓練でも勇気がいるが、繰り返すことで大きな事故を防ぐことができる」と強調する。

 同市認知症地域支援推進員の力石雅博さん(5310は「参加者が道に迷っている人を家に送り届けた例もあった。そうした積み重ねが優しいまちづくりにつながる」と話した。



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